うつ熱時の看護

 

 

うつ熱とは、簡単に言うと、熱が体内にこもってしまった状態のことです。体に熱がこもってしまうことで、体温が高くなっているのです。

 

そしてそれは、「高温多湿」「掛け物のかけすぎ」「衣類の着込みすぎ」などの環境要因により起こります。

 

つまりうつ熱のときは、原因となっている環境因子を取り除けば、熱は下がるのです。言い方を変えれば、「熱をいかに体の外に逃がすか」が看護のポイントになります。

 

それではまず、体の外に熱を逃がすための3パターンについて復習しましょう。

 

熱放散3つのパターン

 

人間は、体の中に熱をこもらせないようにするために、体外に熱を放出し続けています。これを、「熱放散」といいます。

 

具体的には、熱放散は3つのパターンで行われています。

 

一つは、「輻射(ふくしゃ)」です。これは、人間の体表面近くに手をかざすとほんのり温かいことからも分かるように、人間が常にほんのりと熱を放出し続けていることです。

 

もう一つは、「伝導」と「対流」です。「伝導」は、体に接している物質(いす、床など)に熱が移動することを指します。そして「対流」とは、体の周りの空気を循環させて熱を逃がすことです。

 

最後は、「蒸発」です。蒸発とは、体の水分を気体に変えることで熱放散を促す方法のことです。

 

人間が熱を逃がすパターンは主にこの3つです。つまりうつ熱のときには、熱放散3つのパターンを妨げないように配慮する必要があるのです。

 

まずは「輻射」「伝導」「蒸発」による熱の放出を妨げないようにしなくてはいけません。

 

そして、「対流」の循環を促すために、空気の流れをしっかりと作り出すことも重要なのです。

 

うつ熱時の看護

 

それでは、「輻射」「伝導・対流」「蒸発」を意識しながら、看護のポイントについてみていきましょう。

 

環境調整

 

うつ熱になってしまった時に真っ先にすべきことは、環境調整です。うつ熱の看護は環境調整が9割といっても過言ではないほどです。

 

まず、なるべく体から熱を逃がすために、薄着にする必要があります。何枚も着込んでいる場合には薄手のシャツ1枚だけにして、靴下や靴も脱がせましょう。

 

また、換気をしたり空調を調節したりすることで、室内の空気の流れをよくすることも重要です。空気の流れを良くすることで、先述した「対流」を促すことができるからです。

 

屋外いる場合は、涼しい日蔭につれていき、うちわ等であおぎましょう。

 

冷罨法

 

アイスノンや氷枕、冷たく絞ったタオルでの清拭等を行い、体を冷やします。

 

うつ熱のときにはとにかく体から熱を逃がすことが重要なので、積極的に冷罨法をしましょう。

 

水分出納バランスの把握

 

うつ熱のときには脱水になりやすいです。

 

そのため、「どのくらいの水分を取っているか」などの飲水量の把握は、欠かさずにしていきましょう。

 

また、「尿は出ているか」「全身状態はどうか」「バイタルサインはどうか」を把握することで、脱水兆候の有無も把握するようにします。もしも脱水が疑われ、自力での飲水が困難な場合には、点滴による補液も検討します。

 

ここまでいくつか看護のポイントを挙げてきましたが、うつ熱のときに何よりも大切なのは、「体の熱を外に逃がすこと」です。

 

うつ熱の患者さんを受け持つときには、「どうしたら熱が逃げるか」を意識しながら看護をするようにしましょう。

 

 

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