意識障害はなぜ起こる

 

意識がある状態とは大脳が働いている状態であり、私たちが意識がある状態を維持していくためには、脳幹にある網様体の働きが重要であるということは、意識を維持する中枢はどこ?で確認しましたね。
意識がある状態のとき、大脳(大脳皮質)は、高度な知的活動をしてくれています。そして網様体は意識の切り替えスイッチのような働きをしています。網様体のおかげで、私たちは意識を保つことができたり、脳を休ませるために睡眠をすることができているのでした。

 

では、意識障害が起きたときというのは、一体何が原因となってくるのでしょうか。大きく分けて、脳自体に障害が起こった場合と、脳に栄養がいかなくなった場合に分けられます。それぞれみていきましょう。

 

脳自体に障害が起こった場合

脳自体に障害が起きて意識障害となってしまう場合、
・大脳皮質の広い範囲で障害が起こってしまった
・意識のスイッチである脳幹に障害が起こってしまった
以上のどちらか、もしくは両方が原因であることが考えられます。

 

仮に大脳皮質に障害が起こったとしても、その範囲が限定的である場合には、失語症などの症状が出たとしても意識障害までには至りません、意識障害が起こってしまうほどの大脳皮質の障害は、広範囲なのです。

 

脳に栄養がいかなくなった場合

脳が元気に活動するためには、栄養が欠かせません。脳の栄養は、糖(グルコース)と酸素です。
脳に供給するための糖や酸素が不足している場合、また栄養を脳に運ぶための脳血流が途絶えてしまっている場合、意識障害が起こることがあります。


意識障害はなぜ起こる 関連ページ

バイタルを制する
そもそもバイタルとは?
体温とは? 体温に影響を及ぼす因子
体温調整中枢はどこ?
体温の測定方法と注意点
体温の異常:高体温〜発熱〜
発熱の経過
代表的な4つの熱型
熱放散の3パターン
発熱時の看護
体温の異常:高体温〜うつ熱〜
うつ熱時の看護
体温の異常:低体温
低体温時の看護
脈拍とは?
脈拍の測定方法と注意点
不整脈の考え方
脈拍の異常:脈拍数〜頻脈@〜
脈拍の異常:脈拍数〜頻脈A〜
脈拍の異常:脈拍数〜徐脈〜
脈拍の異常:脈拍のリズム
脈拍の異常:脈拍の大きさ
脈拍の異常:脈拍の立ち上がりの速さ
脈拍の異常:脈拍の緊張度
呼吸とは?
呼吸器系の構造と働き:気道系@
呼吸器系の構造と働き:気道系A
呼吸器系の構造と働き:肺胞系
呼吸器系の構造と働き:肺
呼吸器系の構造と働き:縦隔、胸郭
呼吸の3要素
呼吸中枢の場所と化学受容体の関係
呼吸の測定方法と注意点
肺機能検査:換気機能検査
パルスオキシメーターによるSpO2測定
呼吸の異常:呼吸数、呼吸の深さ
呼吸の異常:呼吸の型、左右差
呼吸の異常:リズム
呼吸困難について
血圧とは?
脈圧ってなに?
血圧の測定方法と注意点@
血圧の測定方法と注意点A
観血的動脈圧モニタでの血圧測定
血圧の異常:高血圧
危険な高血圧
白衣高血圧と仮面高血圧
高血圧 資料
血圧の異常:低血圧
起立性低血圧
意識があるってどんな状態?
「意識」を作り出す脳の仕組み
意識を維持する中枢はどこ?
失神とは
意識の評価 JCS
意識の評価 GCS
子どもの意識の評価
意識状態による眼球運動の変化
眼球運動@瞳孔のアセスメント
眼球運動A眼位のアセスメント
意識状態悪化時の呼吸
意識状態悪化時 その他のバイタル
あいうえおちっぷす(AIUEOTIPS)

HOME このサイトについて お問い合わせ