脈拍の異常の考え方
脈拍のアセスメントには「脈拍数」「脈拍のリズム」「脈拍の大きさ」「脈拍の立ち上がりの速さ」「脈拍の緊張度」の5つの視点が必要であることはわかりましたね。
それでは、もしこれらが異常値であった場合、私たちはどのようにアセスメントしていけばよいのでしょうか。
まずは、そもそも「不整脈」とは何かについて確認していきましょう。
不整脈とは何か?
不整脈は「正常洞調律以外の調律」と定義されます。
※正常洞調律:洞結節で発生した電気的興奮が正しく心臓全体に伝わり、心臓が正常なリズムを示している状態。
不整脈には、大きく分けて「頻脈性不整脈」と「徐脈性不整脈」があります。
「頻脈性不整脈」には、心臓のリズムは一定で脈拍数のみ増加する「洞性頻拍」や「発作性上室性頻拍」、心臓のリズムが不整で脈拍数も増加する「心房細動」「心房粗動」などがあります。
「徐脈性不整脈」には、心臓のリズムは一定で脈拍数のみ減少する「洞性徐脈」、心臓のリズムが不整で脈拍数も減少する「洞房ブロック」などがあります。
皆さんは不整脈と聞くと、「不整脈って、リズムの不整だけのことを言うの?」と疑問に思うでしょう。
答えは、「違います」。
上記の説明の通り、不整脈には、リズムは一定だけれども脈拍数に変化が起きている場合(洞性頻拍、発作性上室性頻拍、洞性徐脈など)も含まれているのです。
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