眼球運動A眼位のアセスメント

 

 

JCS、GCS以外に意識を評価するうえで役に立つ評価項目は、呼吸状態眼球運動でしたね。そして眼球運動は、主に瞳孔眼位をみる必要があるのでした。

 

眼球運動@瞳孔のアセスメントでは瞳孔についてみていきましたので、今度は眼位について確認していきましょう。

 

眼位の異常とは

「眼位」とは、左右の目が向いている方向のことです。眼位は、正常な状態では左右共に真ん中(正中)に位置しています。また、目を動かしたときにはどちらも同じ方向を向いているのが普通です。

 

しかし、右目は真ん中に位置しているのに左目は左に寄ってしまっている・・・など、左右の眼位が異なる場合、眼位に異常をきたしていると考えることができます。左右の眼位が異なる場合、左右の眼球のいずれか、もしくは両眼の眼球運動が障害されているということになります。
眼球運動とは、文字通り目を動かすための運動のことです。目を動かすための指令を伝達しているのは、動眼神経、滑車神経、外転神経の3つです。つまり、眼位に異常があるということは、この3つの神経に障害が起きていることを意味します。さらに、動眼神経、滑車神経、外転神経を束ねている脳幹部に異常があることも疑わなくてはなりません。

 

共同偏視

共同偏視とは、左右の眼が両方とも、強く偏ってしまうことです。そして、偏ったままの状態になってしまいます。
共同偏視は脳内出血などによりおこります。
共同偏視は、病変が起きた部位によって目の偏る方向が異なるのが特徴的です。
それでは、脳に出血が起きると、それぞれどのような共同偏視が出てしまうのかみていきましょう。

 

1.被殻(ひかく)出血
「被殻」とは、大脳の中心部にある大脳核(大脳基底核)の一部です。この部位で起こってしまった出血のことを、被殻出血といいます。被殻出血は脳出血のおよそ40%を占めています。このとき、両眼は病変がある側(出血側)を見るような方向を向いています。たとえば右側で出血があったら、両眼は右を向きます。

 

2.視床出血
視床は、脳幹の一番上にある間脳の一部です。視床出血は、脳出血のおよそ30%を占めています。視床出血がおきると、ちょうど寄り目をした時のように両目が内側に寄り、そしてやや下を向いたような向きになります。

 

3.橋出血
橋は、脳幹の真ん中やや下に位置しています。橋出血は、脳出血のおよそ10%を占めています。橋出血がおこると、病変があるのと反対側を見るような共同偏視がおこります。
また、瞳孔は著しく縮瞳します。これを、pinpoint pupils(針穴瞳孔)といいます。

 

4.小脳出血
小脳は、大脳の下にちょこんとくっついています。小脳出血は、脳出血のおよそ10%を占めています。ここで出血が起きると、病変があるのと反対側を見るような共同偏視がおこります。

 

頭位変換眼球反射

みるべき眼位のアセスメントの1つに、「頭位変換眼球反射」というものがあります。まずは、この反射が一体全体何なのかご説明しますね。
正常な状態では、私たちは顔を右に向けて回していくと、目は左へ寄っていき最終的に左目の端っこには白目が残らないような状態になります。逆に左に向けて顔を回していくと、目は右へ寄っていきます。この反射が頭位変換眼球反射です。別名、「人形の眼現象」ともいいます。もし意識障害があったとしても、目を動かすための神経に異常がなければ、この反射はおこります。

 

しかし頭位変換眼球反射が消失すると、頭を右に回しても左に回しても目は真ん中(正中)で固定されたままになってしまいます。このは、脳幹障害が疑われます。

 

眼球浮き運動

眼球浮き運動とは、眼球が真ん中(正中位)から急速に下に下がり、また正中位にゆっくり戻ってくるような運動のことです。まるで海に浮かぶ「浮き」のように、規則正しく垂直方向にこの運動は起こります。脳幹の中部〜上部に広い障害が発生していることを示しています。

 

 

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