血圧とは

 

医療従事者のみならず、今や世間の多くの人たちが、日常的に気にする血圧。血圧って、そもそも何のことを指しているのか、あなたは説明できますか?

 

血圧とは、簡単に言うと、血液が血管を押す力のことです。
血液は、ポンプ(心臓)によって絶え間なく、全身に送り出されています。血液が、頭のてっぺんから足の先まで、逆流したりせずにしっかりとめぐることができるのは、血圧という名の血液の圧力が、常に血管に加わっているからなのです。

 

血圧を決める因子

血圧とは、血液が血管を押す力である、ということはわかりましたね。それでは、血圧はどのようにして決まるのでしょう。
実は、血圧を決める因子は2つあります。

 

一つは、心臓。言わずもがなですね。ポンプである心臓が血液を送り出す力が、血圧に大きくかかわります。
そして二つ目は、血管。少しわかりずらいかもしれませんが、血液が通る道である血管の状態も、血圧にも大きくかかわってくるのです。ゴムホースを想像してみてください。新品の柔らかいゴムホースは、何の抵抗もなく水を通していきますよね。一方古びて硬くなり、中に汚れが溜まっているようなゴムホースはどうでしょう。抵抗が大きく、なかなか水は流れることができません。血管と血液の関係も、これと一緒です。

 

よって、血圧は以下の式で考えることができます。

 

血圧 = 1回拍出量 × 末梢血管抵抗

1回拍出量とは、心臓が1回に送り出すことのできる血液の量です。
そして末梢血管抵抗とは、血液の通り道である末梢血管に抵抗はあるかどうかです。

 

この式をみれば、心臓が1回に送り出す血液量が増えて、なおかつ末梢血管が硬かったり収縮していると血圧は高くなることがわかります。
逆に、心臓が1回に送り出す血液量が少なく、なおかつ末梢血管がやわらかく弾力があると、血圧は低くなります。

 

血圧の表現方法は?

血圧の表現方法を考えるうえで、一つ皆さんに思い出してほしいことがあります。血液を送り出す心臓は、ポンプのように収縮したり拡張したりを繰り返していますよね。ということは当然、心臓が収縮しているときと拡張しているときとでは、血管にかかる圧力は違ってきます。

 

心臓がぎゅっと縮こまって(収縮して)血液を送り出したときに動脈に加わる圧力を、収縮期血圧(最大血圧)といいます。
そして、心臓が広がって(拡張して)血液をため込むときの動脈に加わる圧力を、拡張期血圧(最低血圧)といいます。

 

どちらの血圧が高いかは、考えればわかりますよね?
そう、ぎゅっと縮こまって血液を送り出すときの血圧、収縮期血圧です。


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