子どもの意識の評価

 

今まで見てきたJCS、GCSを用いれば、意識レベルの評価を行うことができます。…が、実は例外があります。
それは、子どもの意識状態を評価する場合です。

 

評価項目に「見当識障害がある」なんて書いてあっても、そもそも自分が何者だか十分わかっていない赤ちゃんに対しては、見当識障害の有無なんて調べようがありません。そこで、子ども用のJCS、GCSというものが開発されました。以下に載せておきますので、参考になさってください。

 

小児(乳幼児)のJCS

T.刺激しないでも覚醒している状態

 

T-1.あやすと笑う。ただし不十分で、声を出して笑わない
T-2.あやしても笑わないが、視線は合う
T-3.母親と視線が合わない

 

U.刺激すると覚醒するが刺激をやめると眠り込む状態

 

U-10.飲み物を見せると飲もうとする。あるいは乳首を見せればほしがって吸う
U-20.呼びかけると開眼して目を向ける
U-30.呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する

 

V.刺激をしても覚醒しない状態

 

V-100.痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする
V-200.痛み刺激で少し手足を動かしたり、顔をしかめる
V-300.痛み刺激に全く反応しない

 

小児(乳幼児)のGCS

E.開眼(eye opening)

 

4点:自発的に
3点:音声により
2点:疼痛により
1点:開眼せず

 

V.言語(best verval response)

 

5点:機嫌よく喃語をしゃべる
4点:不機嫌
3点:痛み刺激で泣く
2点:痛み刺激でうめき声
1点:声を出さない

 

M.運動(best motor response)

 

6点:正常な自発運動
5点:触れると逃避反応
4点:四肢屈曲反応:逃避
3点:四肢屈曲反応:異常
2点:四肢進展反応
1点:全く動かず

 

 


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