脈拍とは?

 

バイタルサイン5つの見るべきポイント、2つ目は「脈拍」です。

 

脈拍の定義、わかりますか?

脈拍とは、体表から触れることのできる動脈の拍動のことです。

 

心臓の働きと脈拍

脈拍とは何か…を考える前に、まずは心臓の働きについて簡単に説明します。
心臓は、血液を全身へ送り届ける「電動ポンプ機能」という役割を担っています。ここでなぜ「電動」という言葉がつくかというと、心臓は自ら、心臓を動かすための電気的刺激を一定のリズムで発しているからです。心臓は、自らに刺激を与え、その刺激により収縮と拡張を繰り返しながら、全身に血液を送っています。

 

全身に血液を送り届ける電動ポンプ、心臓の構造は、4つのお部屋(心房、心室)と4つのドア(弁)、そして、4つの道(肺に血液を届ける道(肺動脈)、肺から帰ってくる道(肺静脈)、全身に血液を届ける道(大動脈)、全身から帰ってくる道(上・下大静脈))から成り立っています。

 

脈拍が触れるためには、血液が心臓から大動脈に流れ出て、その拍動が末梢動脈に伝えられるという、2つのステップが必要です。

 

心拍数と脈拍数は一緒?

心拍数とは、1分間の心臓の拍動回数のことです。心音を聴診することなどによって把握できます。
一方、脈拍数は、1分間の動脈の拍動回数です。

 

原則的には、心拍数と脈拍数は一緒になるはずです。しかし、現実的には心拍数と脈拍数が一緒にならない場合もあります。たとえば、期外収縮の場合です。「脈が飛ぶ」と表現されるように、脈の欠損が起こり、心拍数よりも脈拍数のほうが少なくなります。これを脈拍欠損といいます。心拍はあるものの心拍出量が不十分なために、末梢動脈に脈波(大動脈の弾性エネルギーが、血管壁を通して末梢動脈へ伝わっていく現象)が伝わらずに起こります。
※弾性エネルギー:動脈は、ゴムのように伸び縮みする性質を持っています。なんと、1.5〜2倍にまで伸びるのです。動脈はこの伸び縮みする性質を使って、血液を全身に送っています。

 

 

 

 

 

 

 


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