CSV 〜PSV〜
人工呼吸器3つのモード(CMV,SIMV,CSV)のうち、最も患者さん自身の力を生かすモードが、CSV(continuous spontaneous ventilation:持続自発換気)です。「持続自発換気」。その言葉通り、CSVモードではすべての呼吸サイクルで、患者さんの自発呼吸のサポートが行われます。
CMV(A/Cアシストコントロール)の場合は、すべての呼吸サイクルで、呼吸器に設定された換気(強制換気)が行われていました。
しかしCSVの場合は、すべての呼吸サイクルで、患者さんの自発呼吸のサポートが行われます。CSVが行うのはあくまで「自発呼吸のサポート」です。CMVの時に人工呼吸器に事細かに設定されていた「一回換気量、換気時間、換気回数、吸気時間・・・」などなどの設定は、必要ありません。
患者さんの自発呼吸をサポートするCMV。そのサポート方法は、PSV(プレッシャーサポート)とCPAP(シーパップ、持続気道陽圧)があります。
このページでは、まずはPSV(プレッシャーサポート)についてご説明していきます。
PSV(プレッシャーサポート)
一般に言われる「プレッシャーサポート」は、英語でpressure support ventilation(PSV)と表記されます。
プレッシャーサポートは、訳すと「圧のサポート」。
その役の通り、PSVが行っているのは吸気時の「圧のサポート」なのです。
PSVモードが適用されているときには、人工呼吸器の事細かな設定は必要ありません。息を吸う量、吸う回数、吸う時間等はすべて患者さんが決めます。では人工呼吸器は何をするのかというと、患者さんが息を吸っている間に、低めの圧をかけてあげることだけなのです。
PCとPSVの違い
「患者さんが息を吸っている間に圧をかける」って、どこかで聞き覚えがありませんか・・・?そう、PC(pressure control:従圧式)という方法で、確か患者さんに圧をかけて空気を送り込んでいましたよね?
詳細は「基本設定B」に書いてありますが、ざっくりPCのことを振り返りましょう。PCは、空気をどのくらいの「圧」で送り込むか、という設定のことでした。ここで注意なのは、PCで送り込む空気の「圧」は、強制的に患者さんの肺を膨らませるほど高い圧であるという点です。
一方、PSVで送り込む圧は、あくまで患者さんの呼吸をサポートするための低い圧です。
PCで送り込むのは患者さんの肺を膨らませるほどの高い圧。
PSVで送り込むのはあくまで患者さんの呼吸をサポートするための低い圧である、と覚えておきましょう。
PSVの仕組み
では、PSV(プレッシャーサポート)ではどのように換気が行われるのでしょうか。
PSVの場合、患者さんの吸気努力がトリガー(換気を始める引き金)となります。つまり、人工呼吸器が「おっ!患者さんが息を吸い始めたぞ!」と察知した時点で、圧をかけはじめるのです。この時、設定した圧まで素早く上昇させていきます。
そして、人工呼吸器が患者さんの吸気フローの低下を察知したら、吸気は終了します。あくまで患者さんの吸気に合わせて低い圧をかけていくのが、PSVのやりかたなのです。
ちなみにPCの場合は、空気を送り込む時間も圧も呼吸器でがっちり設定していました。そのあたりも、PCとPSVの大きな違いですね。
PSVの時設定しなくてはいけない基本的なパラメータ
・プレッシャーサポート圧(換気補助圧)
・酸素濃度
・PEEP
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