換気量低下アラーム
換気量低下アラームとは
換気量低下アラームは、換気量の低下を知らせてくれるアラームです。測定している呼気の1分間の換気量が、設定を下回った場合に作動します。
このアラームが作動したときには換気量が低下してしまっているため、患者さんは適切な換気が行われていない状態になっています。
十分な空気が送り込まれずに患者さんの換気が適切に行われていない、という意味合いにおいて、気道内圧低下アラームと原因、対処法ともに似ています。(ほとんど一緒です)
換気量低下アラームの原因
換気量低下アラームが作動する原因としては、患者側の原因と、呼吸器側の原因とが考えられます。
それぞれみていきましょう。
<患者側の原因>
患者側の原因には、以下のようなものがあります。
・一回換気量や呼吸数の低下
・カフリーク
・大きなエアリーク
カフリークは、想像しやすいですね。いくら機械が空気を送り込んでも、カフを通って空気が戻ってきてしまっては患者さんは十分な換気を行うことができません。
<呼吸器側の原因>
呼吸器側の原因には、以下のようなものがあります。
・呼吸回路のはずれ、リーク
・気道内圧センサー内の水分貯留や閉塞
・高すぎるアラーム設定
・機械の故障(換気量測定センサー不良)
特に呼吸器の回路や気道内圧センサー内の水分貯留などに関しては、シフト毎に点検し、異常がないか確認しましょう。
換気量低下アラームへの対応
換気量低下アラームが作動し、すぐに原因がわからない場合にはまずバッグ換気に切り替えます。
そのあとは、以下のような手順で対応していきましょう。
引用:羊土社 「人工呼吸管理に強くなる」 編集 讃井將満、大庭祐二
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