DOPREの「O」 Obstructive

 

人工呼吸器使用中の患者さんが急変してしまったら、まずはバック換気切り替えるのでしたね。
そして次に行うことは原因検索です。

 

この原因検索、「DOPE」というキーワードをもとに行っていくとスムーズにできます。このページではDOPEの「O」、「Obstructive」について説明していきます。

 

Obstructive

DOPEの「O」は、「Obstructive」です。obstructiveは、日本語に訳すと「閉塞」となります。何が閉塞なのか・・・といいますと、もうお分かりですね?「チューブの閉塞」です。

 

DOPEの「O」では、チューブの閉塞を疑っていきます。

 

気道分泌物

もっとも頻繁にみられるのが、気道分泌物によるもの、いわゆる「痰詰まり」です。
痰詰まりによるチューブの閉塞がみられたら、やるべきことは一つしかありません。そう、吸引して痰を取り除くことです。なかなか取れない場合には、体位ドレナージを行ったりタッピングや加湿等を行うなどして、スムーズに分泌物を除去することができるよう努めましょう。

 

場合によっては、分泌物が固くなってしまい、吸引カテーテルが入っていかなくなってしまっているようなこともあります。その場合、生理食塩水の注入や、気管支ファイバーによる気道分泌物の除去が行われる場合もあります。しかし、チューブの閉塞が高度である場合には、躊躇せず入れ替えを行うことも必要です。

 

ちなみに、気管チューブで一番詰まりやすいのはどこかご存知でしょうか?コネクター?それとも先端?・・・正解は、チューブの先端です。

 

患者が気管チューブを噛んでいる

患者さんが気管チューブを噛んでしまっていることによるチューブの閉塞も起こりうることです。その場合は、チューブの位置を調整しなおしましょう。


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