NPPVを行うにあたって 患者さんへの説明

 

気管チューブを用いて行われる通常の人工呼吸に対し、NPPVは、マスクを当てて行われる人工呼吸です。そのため、NPPVを効果的に行うためには患者さんの協力が不可欠です。

 

NPPVは、通常の人工呼吸と比べると非侵襲的であり、鎮静も最小限で済んだり、挿管する必要がないなどメリットがたくさんあります。しかし、マスクの圧迫感や違和感は決して小さいものではありません。みなさんも、ぜひ一度NPPVのマスクを口に当ててみてください。予想以上の風圧に驚くはずです。

 

患者さん自身がしっかりNPPVのことを理解できるよう、Nsはサポートする必要があります。

 

患者さんに説明を行うときには、以下のようなポイントを意識しながら行いましょう。(基本的にはDrから説明が行われますが、患者さんやご家族は一度では理解しきれないことが多々あります。その場合、Nsがのちのち質問を受けることも多いです)

 

・呼吸状態を改善するために、一時的にNPPVを用いること
・NPPVを行っている間は、マスクから風(圧)が送られてくること
・NPPVを行っている時には、なるべくリラックスして風(圧)に逆らわないようにするほうが苦しくないこと
・いったん慣れてしまえば、NPPVに乗っているほうが楽に感じること

 

特に閉所恐怖症の患者さんは、マスクの閉塞感が苦手である場合が多いです。その場合には、まずはマスクを口に当てるところから練習してもらう場合もあります。

 

また、NPPVでうまくいかなかった場合の方針も患者さん、家族とすり合わせておく必要があります。
基本的にはNPPVでうまくいかなかった場合は挿管になるのですが、場合によっては(ターミナルの患者さんで本人、家族が希望した場合など)挿管しないという選択もありうるからです。


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