人工呼吸器の基本設定D どのくらいの「濃度」の空気を送るか

 

 

人工呼吸器は、患者さんに空気を送り込む機械でしたね。ここまで「空気」という言葉を使ってきましたが、実際に患者さんに送り込んでいるものは、私たちが普段吸っている空気とは違います。

 

人工呼吸器は、圧縮空気と圧縮酸素を混ぜ合わせることで酸素濃度を調節し、それを患者さんに送り込んでいるのです。

 

酸素濃度は、FiO2(fractional concentration of oxygen in inspired gas:吸入気酸素濃度)とあらわされます。

 

空気を混ぜ合わせる仕組み

 

人工呼吸器には、酸素ブレンダ(ミキサ)と呼ばれる、圧縮空気と圧縮酸素を混ぜ合わせるための装置がついています。この酸素ブレンダが、圧縮空気と圧縮酸素を混ぜ合わせ、酸素濃度を調整してくれているのです。

 

FiO2の設定

 

ここで問題です。私たちが普段吸っている空気には、酸素はどのくらい含まれているか覚えていますでしょうか?

 

答えは、21%です。わたしたちは普段、酸素濃度21%(FiO2 0.21)の空気を吸って生きているのです。

 

ちなみに、このときの空気を臨床ではRoom Air(ルームエアー)と呼びます。たとえば酸素を使っていない状態でSpO2が99%だった場合、「Room Airでsat99%」と表現されます。

 

人工呼吸器では、酸素濃度は21%〜100%の間で調節されます。(FiO2 0.21〜1.0)

 

「濃い酸素をいっぱい投与すれば呼吸が楽になりそうじゃん!」・・・と思いますよね。確かに、低酸素血症が原因で呼吸器を使い始めたようなときには、ためらわずに酸素濃度100%(FiO2 1.0)から投与し始めることも必要です。

 

しかし、高濃度の酸素(酸素濃度60%(FiO2 0.6)以上)を投与し続けることは、弊害を生むことも覚えておかなければなりません。長期間にわたって高濃度酸素を投与し続けると、肺障害を生じたり、吸気性無気肺を生じることもあります。そのため、酸素化の改善が図られたら酸素の減量をしていくことが必要です。

 

気道確保から挿管された場合、肺そのものに障害がない場合には、酸素濃度21〜40%(FiO2 0.21〜0.4)で開始できます。

 

 

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