NPPVの適応

 

 

NPPVの適応になる患者さんは誰か、という問いに対する答えは単純です。
ざっくりいうと「NPPV不適応に該当しなければ、みんなNPPVの適応!!」なのです。なので、NPPV不適応に当てはならなければ積極的にNPPVを試してみてもよい、ということになります。

 

それでは「NPPV不適応」とはどのような状態の患者さんのことを指すのかみていきましょう。

 

NPPV不適応

NPPVは、マスクを用いて行われます。そのため、マスクが患者さんの顔にしっかりとフィットしていることが必要となります。顔に変形があったり、外傷がある場合には、不適応となります。

 

また、通常の人工呼吸管理とは違い、NPPVの場合は鎮静を行いません。患者さんの意識が保たれていて、自分で気道を保てていることがNPPV使用の大前提だからです。つまり、NPPVを行うには患者さんの協力が必要不可欠なのです。治療に協力できない場合、興奮状態にあってマスクをつけていられない場合などは、NPPVを行うことができません。

 

自ら喀痰ができない場合も同様に、NPPVを行うことができません。痰の量が多くて頻回の排痰や吸引が必要な場合も、NPPV不適応となります。

 

さらに、NPPVは、マスクのフィットの問題、リークが多いという点、患者さんの意識状態・・・などの不確定要素が多いです。そのため、循環動態が不安定などの全身状態があまりよくない患者さんに対しては、人工気道を用いた通常の人工呼吸管理が行われます。

 

それでは、最後にNPPV不適応について表を確認してみてください。
以下のような状態の患者さんに対しては、NPPV不適応であるといわれています。(スマートフォンの方は画面を横にしてご覧ください)

 

絶対的禁忌

・呼吸停止
・低血圧、重篤な不整脈、不安定狭心症、心筋梗塞などで血行動態が不安定
・非協力な患者 もしくは不穏患者
・最近の顔面、食道もしくは胃の手術の既往
・頭部、顔面の外傷、熱傷
・誤嚥のリスクが高い
・喀痰、粘液の排出が十分できない
・上咽頭の奇形

相対的禁忌

・極度の不安
・重度の肥満
・大量の喀痰
・ARDSによる急性呼吸不全

 

NPPVの適応

「NPPV不適応に該当しなければみんなNPPVの適応!」でしたね。
でも実は、みんなNPPVの適応・・・とはいっても、その中でも特におすすめの患者さん!というのがあるんです。

 

ここでは、NPPVが効果的とされる強いエビデンスのある患者さんを紹介していきます。(スマートフォンの方は画面を横にしてご覧ください)

 

エビデンスレベル NPPVの適応

・COPDの急性憎悪(pH 7.25〜7.30程度)
・急性心不全
・免疫不全患者
・COPD患者のウィーニング、抜管の促進

・喘息
・COPD患者における市中肺炎
・COPD患者の抜管後の呼吸不全
・低酸素性呼吸不全
・Do-Not-Intubate(特にCOPDとCHF患者)
・術後の呼吸不全

※補足:エビデンスレベルに関しては、Aの方がエビデンスが強い、つまりよりNPPVがおすすめの患者さんということになります。
※Do-Not-Intube:「DNI」と略され、「挿管なし」と略されます。つまり、患者さんや家族の意向により挿管は行わない、とする場合です。

 

 

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