26. 酸塩基平衡の評価 その2



酸塩基平衡を評価するためには、3つの項目だけを理解すればよいです。その3つの項目とは、PaCO2、pH、HCO3−(またはBE)です。

それでは、この3つの項目をどのように読み解けば酸塩基平衡を読み解くことができるのか、順番にみていきましょう。

チェック@ 酸塩基平衡は正常?


この3つの検査値をパッと見て、まずは酸塩基平衡は正常かどうかを判断します。

PaCO2、pH、HCO3−(またはBE)がすべて基準値内であったら、酸塩基平衡は正常です。逆に言えば1つでもおかしな値があったら、酸塩基平衡は正常でないといえます。

チェックA アシドーシス?アルカローシス?


酸塩基平衡が正常でなかった場合、次に判断すべきは、体が酸性に傾いているアシドーシスか、はたまたアルカリ性に傾いているアルカローシスか判断することです。

どこを見るべきかは、簡単。pHをみればよいのです。

pHの正常値は7.35-7.45という狭ーい範囲です。よって、pHが7.35以下の場合はアシドーシス、7.45以上の場合はアルカローシスです。

チェックB 呼吸性?代謝性?はたまた混合性?


現在の状況がアシドーシスかアルカローシスかわかったところで、次にその原因について考えます。

考えられる原因には、呼吸性、代謝性、混合性があります。

a. アシドーシスの場合

呼吸の異常が原因(呼吸性)でアシドーシスになった場合は、換気がうまくいっていないので、酸であるPaCO2が溜まります。そのためPaCO2の値が上昇します。

呼吸以外の異常が原因(代謝性)でアシドーシスになった場合は、酸である水素イオンH+がうまく排出されず溜まっている状態です。そのため、水素イオンH+をどんどん消費させようと重炭酸イオンHCO3−もどんどんつかわれるため、重炭酸イオンHCO3−の値は低下します。

b. アルカローシスの場合

呼吸の異常が原因(呼吸性)でアルカローシスになった場合というのは、換気されすぎて酸であるCO2がはけ過ぎてしまっている状態です。そのためPaCO2の値が低下します。

呼吸以外の異常が原因(代謝性)でアルカローシスになった場合は、失われてしまった水素イオンH+をとりもどすべく、体の中では二酸化炭素CO2の分解が進み、水素イオンH+と重炭酸イオンHCO3−の数が増えています。そのため重炭酸イオンHCO3−の値は上昇します。(以下の表は、スマートフォンの方は画面を横にしてご確認ください。)

原因 異常値
呼吸性だったら PaCO2 低下↓のみ
代謝性だったら HCO3−(またはBE) 上昇↑ のみ
混合性だったら PaCO2 低下↓ なおかつ HCO3−(またはBE)上昇↑

 

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