16. 混合性アシドーシス

 

 

実は、アシドーシスの原因には、「呼吸性アシドーシスと代謝性アシドーシスが同時に起こってしまった場合に起こるアシドーシス」というのがあるんです。

 

それが「混合性アシドーシス」です。

 

混合性アシドーシスは、呼吸性因子と代謝性因子がそれぞれ別々の原因で障害されてアシドーシスになった場合におこります。

 

代償作用とは違い、「それぞれが別々の要因である」というところがポイントです。

 

それでは、混合性アシドーシスになると何が起こるのか、みてみましょう。

 

病態

 

酸塩基平衡に重要な、例の化学反応式で考えます。

 

CO2(二酸化炭素) + H2O(水) ⇔ H2CO3(炭酸) ⇔ HCO3−(重炭酸イオン) + H+(水素イオン)

 

呼吸性因子が障害されたことにより、CO2が排出できなくなり、体の中にCO2が溜まります。よって、体の中の二酸化炭素の量(二酸化炭素分圧PaCO2)は上昇します。

 

また、代謝性因子も障害されることにより、水素イオンH+も排出できなくなるので、体の中に水素イオンH+が溜まります。すると、増えすぎた水素イオンH+をどうにかして消費させようと、重炭酸イオンHCO3−がどんどん使われていくので、重炭酸イオンHCO3−の数は減少します。

 

これらの2つがほぼ同時におこるため、体はアシドーシスになります。

 

混合性アシドーシスを引き起こす疾患

 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)と糖尿病、など、肺疾患と代謝疾患が同時に悪化した場合など。

 

混合性アシドーシスの血液ガスの特徴

 

それでは、混合性アシドーシスになってしまったときの血液検査データについてみていきましょう。まずは、正常値のおさらいです。

 

正常値

 

PaO2(酸素分圧) : 80〜100 mmHg

 

PaCO2(二酸化炭素分圧) : 5〜45 mmHg

 

pH : 7.35〜7.45

 

HCO3− : 22〜26 mEq/L

 

混合性アシドーシスでは、血液ガスは以下のようになります。

 

○pH <7.35 (体は酸性になる!)

 

○PaCO2 > 45mmHg (肺胞でのガス交換がうまくいかなくなるので、体に二酸化炭素が溜まり、血液ガスをとってみると動脈血中の二酸化炭素は増えている!)

 

○HCO3− < 22mEq/L (水素イオンH+が増えすぎてしまうため、増えすぎた水素イオンH+を消費させようと、重炭酸イオンHCO3−がどんどん使われる。その結果重炭酸イオンHCO3−は低下する)

 

 

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