ガス交換の評価

 

ガス交換の指標・・・つまり、体がちゃんと酸素と二酸化炭素を交換できているかどうか把握するためには、以下の3項目を見ましょう。主要4項目の中からはPO2PCO2が見るべき項目となっており、それとは別にSaO2というものもチェックすべき項目となっています。

 

PaO2(PO2)

PaO2とは・・・
P=分圧 a=動脈血 O2=酸素 : 動脈血酸素分圧

 

血液ガス分析の検査結果の項目では、「PO2」と表記されていると思います。これは、血液ガス分析の機械は、採取された血液を調べるときにそれが動脈血によるものか静脈血によるものかわからないためです。

 

動脈血酸素分圧PaO2とは、動脈血中にある酸素の量を示しています。次に出てくる動脈血酸素飽和度SaO2と似ていますが、SaO2は動脈血の中のヘモグロビンと酸素が結合している割合を示しているので、単純に動脈血中の酸素量を示している動脈血酸素分圧PaO2とは似ているけど違うものです。

 

PaO2の正常値は80〜100 Torrです。

 

SaO2

SaO2とは・・・
S=飽和度 a=動脈血 O2=酸素 : 動脈血酸素飽和度

 

「動脈血酸素飽和度」とは、動脈血の酸素飽和度のことです。
酸素飽和度は、簡単に言うと酸素と結合しているヘモグロビンの割合のことです。

 

動脈血酸素飽和度(SaO2)は、動脈血中で酸素と結合しているヘモグロビンの割合が何%であるか示しています。

 

SaO2の正常値は95〜98%です。

 

先に挙げた動脈血酸素分圧PaO2と、動脈血酸素飽和度SaO2は、実は深い関係があります。
それもそのはず、動脈血中にそもそも酸素がないと、ヘモグロビンは酸素と結合し、酸素を運ぶことができないからです。(もPaO2が低いと、SaO2も低くなる)

 

PaO2とSaO2の関係を示した有名なグラフが「酸素解離曲線」です。

 

このグラフによると、
PaO2 50 Torr で SaO2 85%
PaO2 60 Torr で SaO2 90%
PaO2 100 Torr で SaO2 98%

となっています。

 

また、SaO2とよく似た言葉にSpO2があります。これは何かというと、「SpO2(S=飽和度 p=脈 O2=酸素)」つまり、脈で測定する酸素飽和度のことです。SaO2は動脈血で検査するのに対し、SpO2はパルスオキシメーターを用いて指先で簡易的にできる検査で、両者はほとんど同じものです。

 

PaCO2

PaCO2とは・・・
P=分圧 a=動脈血 CO2=二酸化炭素 : 動脈血二酸化炭素分圧

 

PaCO2は、動脈血中に二酸化炭素がどれくらいあるか示しています。
PaCO2が高い、すなわち動脈血中に二酸化炭素がたくさんありすぎると、肺胞換気量が不十分(肺胞でうまく換気ができていない)状態を示しています。
PaCO2が低い、すなわち動脈血中に二酸化炭素が少なすぎると、過換気状態により二酸化炭素がはけ過ぎている状態であることを示しています。

 



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