4. 酸塩基平衡:「塩基」とは、重炭酸イオンのことである

 

 

酸塩基平衡とは、体の中の酸と塩基のバランスのことです。人間は、酸と塩基のバランスがとれていないと生きていくことはできません。

 

ですが、体は常に活動しています。起きているときはもちろんのこと、眠っているときでも体は活動し続けているのです。そのため、何もしなければ酸と塩基のバランスはすぐに崩れてしまいます。

 

酸と塩基のバランスが崩れる原因の一つが、「体の中では常に酸がつくられている」という事実です。

 

私たちが生きていくためには、食べ物をエネルギーに変えることが必要です。そして、私たちが食べ物を代謝するときに、二酸化炭素CO2や硫酸H2SO4、リン酸H3PO4などの酸も作られるのです。

 

酸と塩基のバランスを取るためには、作られすぎた酸を減らさなくてはいけません。そこで役立つのが、「塩基」と呼ばれる存在です。ですが、「塩基」とは具体的にどのような物質のことを指すのでしょうか?

 

そこで今回は、酸塩基平衡における「塩基」の正体に迫っていきましょう。

 

酸塩基平衡における「塩基」とは?

 

酸と塩基について考えていく前に、まずは酸塩基平衡における「酸と塩基の定義」を確認しましょう。

 

酸と塩基の定義

 

酸 : 水素イオンH+を放出する物質のこと

 

塩基 : 水素イオンH+を受け取る物質のこと

 

4. 酸塩基平衡:「塩基」とは、重炭酸イオンのことである

 

4. 酸塩基平衡:「塩基」とは、重炭酸イオンのことである

 

先述した通り、体の中では酸が作られています。作り出される酸にはいろいろな種類がありますが、代表的なものでいうと「二酸化炭素CO2」が挙げられます。

 

しかし、二酸化炭素には一見、「水素イオンH+」が含まれていないように見えます。そのため「二酸化炭素が酸というのは納得できない」と思う人もいるのではないのでしょうか。

 

ですが、二酸化炭素はれっきとした「酸」です。二酸化炭素が水に溶けたときの様子を、化学反応式でみてみましょう。

 

ちなみにこの化学反応式は、体の中で引き起こされる酸塩基平衡の反応の一つです。酸塩基平衡は奥深いため、この化学方程式だけではもちろん説明できません。ですが、酸塩基平衡を理解する取っかかりとしては分かりやすいので、例に出していきます。

 

4. 酸塩基平衡:「塩基」とは、重炭酸イオンのことである

 

私を含め、いきなりこんな化学方程式を見せられてもポカーンとする人もいるのではないでしょうか。この式を分かりやすく説明すると、以下のようになります。

 

4. 酸塩基平衡:「塩基」とは、重炭酸イオンのことである

 

二酸化炭素は水に溶けると、最終的に「重炭酸イオンHCO3−」と「水素イオンH+」に分かれます。

 

見てください! 水に溶けると、二酸化炭素は水素イオンH+を放出していますよね? そのため、二酸化炭素は酸であるということができるのです。

 

では、この化学反応式において、「塩基」はどれになるのでしょうか。

 

先述した通り、「塩基」の定義は、水素イオンH+を受け取る物質のことです。この化学反応式体の中にある塩基は、水素イオンH+を受け取って炭酸H2CO3を作り出す重炭酸イオンHCO3−です。

 

つまり、乱暴に言ってしまうと、酸塩基平衡における塩基とは重炭酸イオンHCO3−であるということができます。

 

ここまで見てきて、酸塩基平衡における「酸」と「塩基」の正体が分かりましたでしょうか?

 

簡単に言うと、酸塩基平衡における代表的な酸は二酸化炭素CO2、そして塩基は重炭酸イオンHCO3−なのです。このことは、今後酸塩基平衡と血液ガスを理解していく上で重要なポイントになるので、覚えておきましょう。
それでは、最後に今回のポイントを振り返りましょう。

 

【ポイント】

 

・酸塩基平衡における代表的な「酸」は二酸化炭素CO2 その他、硫酸H2SO4、リン酸H3PO4がある

 

・酸塩基平衡における代表的な「塩基」は重炭酸イオンHCO3−

 

この先の理解を簡単にするため、まずは「酸」と「塩基」の正体についてついておさえましょう。

 

 

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