酸塩基平衡 in 肺
血液・体液における酸塩基平衡には「緩衝(かんしょう)系」と呼ばれる働きが行われており、緩衝系の中でも特に「重炭酸緩衝系」が重要であることはわかりましたね。
それでは次に、肺における酸塩基平衡の調整についてわかりやすく説明していきます。
肺は、どんなタイプの「酸」の排出を担当しているのか
体の中では常に酸がつくられており、私たちはそれを排出しなければpH7.35-7.45という狭ーい範囲を保てない、ということは覚えていますか?
体の中で常につくられている酸でも説明されている通り、酸には大きく分けて「揮発性(蒸発しやすい)の酸」と「不揮発性(蒸発しにくい)の酸」があります。具体的に挙げますと、揮発性の酸には二酸化炭素(CO2)、不揮発性の酸には硫酸(H2SO4)、リン酸(H3PO4)などがあります。
肺が排出を担当しているのは、「揮発性の酸」になります。
肺による酸塩基平衡の調整
肺による酸塩基平衡の調整を「呼吸性調節」ともいいます。では、呼吸性調節はどのように行われるのかみていきましょう。
私たちが栄養素を摂取し、それが代謝されると、血液中にいらなくなった二酸化炭素CO2が排出されます。排出された二酸化炭素CO2のうち、約90%は赤血球にとりこまれ、約10%は血漿中にとりこまれて、肺から排出されます。
ちなみに、赤血球に取り込まれた二酸化炭素CO2は、赤血球の内部で炭酸H2CO3に変身します。その後炭酸H2CO3は、水素イオンH+と重炭酸イオンHCO3−に分かれます。
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