17. 混合性アルカローシス

 

 

混合性アルカローシスは、呼吸性因子と代謝性因子がそれぞれ別々の原因で障害されてアルカローシスになった場合におこります。

 

代償作用とは違い、「それぞれが別々の要因である」というところがポイントです。

 

それでは、混合性アルカローシスになると体の中でどのような反応が起きるのか、みていきましょう。

 

病態

 

酸塩基平衡に重要な、例の化学反応式で考えます。

 

CO2(二酸化炭素) + H2O(水) ⇔ H2CO3(炭酸) ⇔ HCO3−(重炭酸イオン) + H+(水素イオン)

 

呼吸性アルカローシスは、二酸化炭素のはけ過ぎが原因でおこるのでしたね。二酸化炭素がはけ過ぎてしまうことにより、体の中の二酸化炭素の量(二酸化炭素分圧PaCO2)は低下します。

 

また、代謝性アルカローシスは塩基である重炭酸イオンHCO3−が体の中に溜まりすぎてしまうことにより、体の中がアルカリ性に傾いた状態のことでした。そのため、体の中の重炭酸イオンの量(HCO3−、またはBE)は増加します。

 

これらの2つがほぼ同時におこるため、体はアルカローシスになります。

 

混合性アルカローシスを引き起こす疾患

 

くも膜下出血等、脳圧が高くなったことによる中枢性過換気+治療のために使われた薬であるフロセミドの副作用によるアルカローシス、など。

 

混合性アシドーシスの血液ガスの特徴

 

それでは、混合性アシドーシスになったときの血液ガスデータについて説明していきます。まずは、正常値のおさらいです。

 

正常値

 

PaO2(酸素分圧) : 80〜100 mmHg

 

PaCO2(二酸化炭素分圧) : 35〜45 mmHg

 

pH : 7.35〜7.45

 

HCO3− : 22〜26 mEq/L

 

混合性アシドーシスでは、血液ガスは以下のようになります。

 

○pH >7.45 (体はアルカリ性になる)

 

○PaCO2 < 35mmHg (二酸化炭素がはけすぎてしまうため、体の中はアルカリ性になる)

 

○HCO3−>26mEq/L(重炭酸イオンHCO3−が体の中に溜まりすぎてしまうことにより、体はアルカリ性になる)

 

 

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