5. 酸塩基平衡は体のどこで調節されているのか

 

 

酸塩基平衡を保っていくために、私たちの体の中はあらゆる場所で酸塩基平衡の調整が行なわれています。今回は、具体的に体のどのような場所で酸塩基平衡が調節されているのかについて、みていきましょう。

 

まずは、「酸塩基平衡」の基本的なことから確認していきます。

 

酸塩基平衡とは

 

「酸塩基平衡」とは、その名の通り酸と塩基のバランスのことです。

 

私たちが元気に活動するためには、体の中で酸と塩基のバランスを保っていかなくてはいけません。酸と塩基のバランスを見るための指数は「pH」と呼ばれています。

 

5. 酸塩基平衡は体のどこで調節されているのか

 

この表をみていただければ分かるように、pHは0から14まであります。そして、0に近い方が強い酸性、14に近い方が強いアルカリ性です。

 

この中で、私たち人間が元気に活動していくために必要な動脈血pHは、pH 7.35 - pH7.45という大変狭い範囲です。そのため、体の中では常に酸と塩基を保つための調整が行なわれており、pHを7.35-7.45に保つための努力がなされているのです。

 

「酸」は二酸化炭素、「塩基」は重炭酸イオンのことである

 

それでは具体的に、「酸」と「塩基」とは具体的にどのような物質のことを指すのか確認していきましょう。

 

体の中で作り出されている「酸」には、具体的に以下のような種類があります。

 

【揮発性の酸】

 

二酸化炭素(CO2)

 

【不揮発性の酸】

 

硫酸(H2SO4)、リン酸(H3PO4)

 

「揮発性の酸」とは蒸発しやすい酸のことであり、「不揮発性の酸」とは蒸発しにくい酸のことです。蒸発しやすいか、蒸発しにくいかによって、体のどこから排出されるかが変わってきます。

 

そして、酸塩基平衡における「塩基」とは、重炭酸イオンHCO3−のことを指します。

 

これは少し分かりにくいと思うので、以下の化学反応式で確認していきましょう。

 

5. 酸塩基平衡は体のどこで調節されているのか

 

「塩基」の定義は、「水素イオンH+」を受け取る物質のことです。その定義に当てはめて考えると、この式の中で水素イオンH+を受け取っているのは重炭酸イオンHCO3−であるということができます。

 

つまり、塩基は重炭酸イオンHOC3−のことなのです。

 

体の中のどこで酸塩基平衡は調整されているのか

 

それでは今回のテーマである、酸塩基平衡の調整が行われている場所について確認していきましょう。

 

酸塩基平衡の調整が行なわれている場所は、以下の3箇所です。

 

@血液や体液

 

A肺

 

B腎臓

 

それぞれの場所で、酸と塩基は互いに反応しあい、体の中を適切なpHに保つための活動が行なわれています。

 

長くなってしまうので、それぞれの場所で行なわれている酸塩基平衡の詳細については、次のページから順に説明していきます。

 

6. 「血液・体液」における酸塩基平衡の調整:緩衝系

 

 

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