看護師が行うべき夜勤前、夜勤後の過ごし方

 

日中の勤務と異なり、「夜勤」は本来寝ている時間帯である夜間に起きて働く勤務です。そのため、看護師の心身に大きな影響を与えます。また、夜勤中(特に朝方)は集中力も低下しやすく、医療事故を引き起こしやすいという特徴もあります。

 

夜勤に従事する看護師にとって、患者さん、そして自分自身を守っていくためには、勤務していない時間でいかに効果的な休養を取るかが非常に重要になります。

 

ここでは、夜勤前と夜勤後にどのような過ごし方をすれば適切な疲労回復を図ることができるか考えていきましょう。

 

夜勤前の過ごし方

 

夜勤前、「何時から」「どのくらいの時間」睡眠をとればよいかについては、個人差があります。はじめから心地よい睡眠リズムを見つけるのは難しいかもしれませんが、自分で試行錯誤しているうちにちょうどよい睡眠リズムが見つかります。

 

ちなみに管理人(2交代制勤務)の場合は、夜勤前は以下の睡眠リズムでした。

 

(前日夜)
AM 2:00〜3:00 就寝
(夜勤当日)
AM 11:00〜12:00 起床
PM 13:30 昼食
PM 14:00 入浴・準備
PM 15:00 出勤

 

このような睡眠リズムだと、出勤するぎりぎりまで眠っていられますし、まとまった睡眠がとれていたため身体が楽でした。また、夕食が何時に食べられるかわからなかったため(朝の3時まで食べられないこともありました)、昼食はなるべく遅めの時間に食べてから出勤していました。

 

いろいろ試してみながら自分に合った睡眠リズムを探していきましょう。

 

また、夜勤前に睡眠をとる際にはいくつか押さえておきたい点があります。どれも効果的な疲労回復を図るために重要ですので、意識して行うようにしてください。

 

<寝室の環境を整える>

 

夜勤前の睡眠は、本来ならば起きている時間帯にも眠っていることになるので、寝室の環境を整えておくことは非常に重要です。

 

まず、カーテンは遮光カーテンである必要があります。

 

朝になると、窓から朝日が入ってきます。人間は、朝日を浴びると体内時計がリセットされて目が覚めるようにできています。そのため、夜勤前の睡眠で「できるだけ長く眠りたい」と思っているときに朝日を浴びてしまうと、そこで体が覚醒して寝付けなくなってしまう場合があります。カーテンは必ず遮光にしましょう。

 

また、日中に睡眠をとる際は外の騒音が気になる場合もあります。夜間は静かでも、日中は車の音や工事の音が大きいために眠りにくいこともあります。そのため、「窓はしっかりと閉める」「目覚ましアラーム以外の電源はオフにしておく」「耳栓をする」など工夫し、なるべく静かな環境を作っていく必要があります。

 

さらに、疲労回復には、ソファや床の上ではなく、きちんとベッドや布団で眠ることが効果的です。

 

このように、日中睡眠をとる場合には、夜間の睡眠以上に寝室の環境に気を配る必要があります。

 

<リラックスする>

 

翌日の勤務のことを考え、なかなか寝付けない場合もあります。

 

そのような時には、「アロマオイルをたく」「ストレッチする」「好きな音楽を聴く」など、自分なりのリフレッシュ方法を見つけておくことが効果的です。

 

また、「眠らなくてはいけない」と思い過ぎるのもかえってストレスとなってしまう場合があります。夜勤前に仮眠しようと思って眠れない場合でも、静かに目を閉じて横たわっているだけでも体の疲れは取れるので、そのような時には無理に眠ろうとするのは避けましょう。

 

このように、夜勤前には、睡眠環境を整え、なるべくリラックスした空間を意識して作り出すことが必要となります。

 

夜勤明けの過ごし方

夜勤明けは、心身ともに疲れ果てている状態です。それに加え、長時間の緊張状態から解放されて緊張感がゆるんでいるために、事故にあいやすい時間帯でもあります。通勤の際は、十分に気をつけましょう。

 

それでは、夜勤明けの効果的な疲労回復方法について順番に見ていきましょう。

 

<家に帰ったらまず睡眠をとる>

 

家に帰ってから眠り始めるまでに時間があくと、興奮状態になってしまい入眠しにくくなることがあります。そのため、家に帰ったらまず眠りましょう。

 

非常に疲れているため、一度眠ったらぐっすりと深く眠り込んでしまうこともあります。しかし、半端な時間に目覚めるとそのあと夜眠れなくなってしまい、昼夜のリズムが崩れてしまいます。そのため、可能であればこのときの睡眠は3時間程度に抑えておきましょう。

 

<日中はなるべく普通に活動する>

 

3時間程度の睡眠をとった後は、なるべく起きて活動するようにしましょう。そうすることで、普通のリズムに近づけることができ、夜間も眠れるようになります。

 

なお、仮眠を取らずに夜勤明けでそのまま買い物などに行くと、判断力が鈍っており衝動買いをしやすいので注意しましょう。
夜勤明けで意識する点は、「なるべく普通のリズムで生活する」ことです。こうすることで、昼夜逆転せずに夜間しっかり眠れるため、効果的な疲労回復がしやすくなります。

 

夜勤は、特殊な勤務形態です。上述したような疲労回復方法を実践しながら、自分に合ったやり方で体を休めることができるようにいろいろと試してみてください。



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