夜勤看護師が勤務中に適切な休憩を取る方法

 

心身に大きな影響を与える夜勤は、看護師の体に少なからずダメージを与えます。また、同じ業務量をこなすとしても、日勤と夜勤を比べると、夜勤の方が集中力を保ちにくいという特徴があります。

 

そのため、夜勤における休憩時間の過ごし方は、自分と患者さんの健康・安全を守るうえで非常に重要なものなのです。

 

ここでは、夜勤における効果的な休憩の取り方についてみていきましょう。

 

集中力が途切れる時間帯

 

夜勤中に集中力が最も途切れる時間帯は、朝の3:00〜6:00です。もし十分な休養が取れないままに勤務し続けると、この時間は集中力・作業能力共に非常に低下している時間帯になります。どのくらい低下するかというと、酒気帯び状態で同じ作業をさせた場合よりも作業能力が劣るという研究結果も出ているほどです。

 

また、この時間帯には、医療事故の発生率が高まると同時に、同僚が起こしたエラーを同じ職場の看護師が発見しにくくなるという報告もあります。

 

そのため夜勤中の休憩(仮眠)は、3:00〜6:00に行うのが理想的です。しかし看護師を順番に休憩させていくとなると、皆がこの時間帯に休憩することは難しいでしょう。その場合には、この時間帯までに休憩時間を確保できるよう努力していきます。

 

夜勤中の休憩(仮眠)時間

 

夜勤中には、可能な限り仮眠をとることが必要です。仮眠をとることで心身の疲労を回復させ、夜勤の集中力を持続させることができるためです。なお、夜勤中の仮眠時間に関しては法律上の決まりはありませんが、2時間以上の仮眠時間を確保することが望ましいとされています。

 

ただし、現実的には必ず毎回全員が2時間の仮眠をするのは難しい場合があります。その時は、たとえ短時間でもなるべく眠りにつくようにしましょう。

 

また、仮眠後しばらくはぼんやりとすることがあります。これを避けるために仮眠を取らない人がいますが、それは逆に疲労をため込むことにつながります。これを防ぐためには、「起きたらすぐに働かなくてはいけない」というぎりぎりの時間に起きるのではなく、起きてから1杯コーヒーを飲むくらいの余裕をもって起きることが大切です。きちんと覚醒することができるまでの時間を考慮して、起床時間を決め、アラームをあらかじめセットするようにしましょう。

 

休憩時間外に眠くなってしまったら

 

本来は眠っているはずの時間に起きて働くのですから、当然眠気に襲われることがあります。管理人の経験では、病棟が忙しい時よりも、むしろ落ち着いていて余裕があるときのほうが緊張感も緩んで眠気が出ることが多かったです。

 

勤務時間中に眠くなってしまったら、「ストレッチをする」「顔を洗う」「明るい部屋に行く」などの刺激を与えることが重要です。コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインの入った飲料を摂取することも効果的です。

 

ただし、カフェイン飲料は、摂取する時間によっては仮眠に影響を与えてしまうことがあります。例えばコーヒー1杯は、摂取後20分から効果を発揮し、効果は3〜4時間程度持続するといわれています。休憩時間のタイミングも考慮しながら飲むようにしましょう。

 

また、薬の内服に関しても注意が必要です。夜勤中に睡眠薬を飲む人はいないと思いますが、「抗アレルギー薬」「鎮痛薬」「感冒薬」の中にも眠くなる成分を含んでいるものがあります。そのため、これらの薬を服用する必要がある人は、成分を確認してから飲むようにしましょう。

 

仮眠室について

 

適切な休憩を取るために、きちんと横になれる仮眠室を用意することが重要です。初めから仮眠専用の部屋を確保するのは難しくても、まずは空き病室を仮眠室代わりにするだけでも構いません。看護師が横になれて、体を休められる個室を確保することが必要です。

 

また、仮眠室の場所はナースステーションから離れていることが望ましいです。モニターのアラームなので、集中して休めない場合があるからです。

 

仮眠室では、電気を暗くし、靴や靴下を脱いで衣服を緩め、なるべくリラックスして休める空間づくりに努めていきましょう。

 

このように、心身になるべく負担が少ない方法で夜勤を行うためには、仮眠をとる「時間帯」「場所」などにいつも以上に気を配る必要があります。必要時カフェイン飲料の力も借りながら、スムーズな休憩がとれるように心がけていきましょう。



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