看護師が奨学金を得ながらキャリアアップするためには

 

「キャリアアップ」とは、「より高度な専門知識や技術を身につけること」という意味があります。そのため、日々臨床実践していく中で知識や技術を磨いていくことは、立派なキャリアアップなのです。

 

キャリアアップをしていくうえで、その具体的なプランを立てることはとても大切です。、「自分が将来どのような職業人になりたいか」というキャリアプランは人それぞれ異なります。

 

キャリアプランを考えていく中で、「興味のある専門領域におけるスペシャリストになりたい」と思う人もいます。そのような場合、「大学院に進学」「資格を取得」するなどして、専門性を高めていくための勉強が必要になります。

 

しかし、進学や資格の取得にはお金がかかります。働きながら必要な単位を取得し資格を得ることもできますが、場合によっては一度仕事を辞めて大学院に進学しないと取得することのできない資格もあります。

 

「自分のキャリアプランを実現させるため」とはいっても、職を失い金銭的な後ろ盾がないまま勉強していくことは、現実的にとても大変なことです。

 

そのため、看護師が働きながらキャリアアップできるよう、現在では後述するようなさまざまな奨学金制度があります。

 

また、病院によっては看護師が仕事を辞めずに進学や資格取得などのキャリアアップを図れるよう、サポートしてくれるところがあります。まずはキャリアアップを支援してくれる病院についてみていきましょう。

 

キャリアアップを支援してくれる病院について

 

「キャリアアップ支援」の一環として、進学や資格取得のために助成金を出してくれる病院も増えてきました。このような病院に在籍していれば、病院に籍を残しながらキャリアアップすることができますし、病院が金銭的なサポートも行ってくれる大きな安心感があります。

 

例えばある病院では、認定看護師になるための支援をしてくれるところがあります。

 

特定の看護領域におけるスペシャリスト「認定看護師」を目指したいと考えている看護師向けに、認定看護師教育課程で学んでいる間は、給与・賞与が保障されます。それに加えて、研修に必要な直接的な経費(入学金、授業料、実習料など)や、間接的な経費(住居賃借料、通学費など)も支給されます。

 

認定看護師になるためには、専門の教育機関で総時間615時間以上の教育課程を経なければなりません。

 

ほとんどの教育機関で、この期間はまとまった講義や実習があるため、認定看護師になりたい人は一度仕事を休まなくてはいけません。このとき、上記のような支援体制があれば、社会的・経済的な心配をすることなく学業に専念できるのです。

 

そのため、将来進学や資格取得を目指す人は、このようなサポート体制のある病院に就職すると、自分の夢を実現しながら安心してキャリアアップしていくことができます。

 

キャリアアップのための奨学金・助成金

 

自分の所属する病院に上記のようなキャリアサポート体制があればよいのですが、現実的にはそのような制度がない場合もあります。

 

その場合、キャリアアップのための奨学金や助成金を貸付、給付してもらえる場合があります。

 

このような奨学金・助成金の制度をとっている設置主体は、「地方公共団体」「公益法人」「民間団体」「医療機関」「学校養成所」など、さまざまな団体があります。以下に例を挙げます。

日本看護協会の奨学金

 

・「国際看護師協会 東京大会記念奨学金」 大学院における保健看護に関する過程に在学する(入学許可も含む)保健師・助産師・看護師が対象

 

・「石橋美和子 がん看護CNS奨学金」 臨床や地域看護の分野で実務経験があり、大学院でがん看護専門看護師教育課程に在籍していて(入学許可も含む)、がん看護専門看護師に登録された後、2年以上保健医療分野で就業する意思のある保健師・助産師・看護師が対象

 

・「認定看護師教育課程奨学金」 認定看護師教育課程に在籍し(受講許可も含む)、認定看護師教育課程を修了した後、2年以上保健医療分野で就業する意思のある保健師・助産師・看護師が対象

 

都道府県の奨学金

 

・「看護師等修学資金貸付制度」 大学院修士課程修学予定の保健師・看護師・助産師が対象

 

団体によって、奨学金・助成金の内容や応募資格、貸付期間、応募方法等が異なりますので、自分が利用したいと思う団体について詳しく調べる必要があります。場合によっては「一定期間指定された医療機関で勤務すること」などの条件が付いているケースもあるので注意しましょう。

 

看護師として働きながらのキャリアアップには金銭的な不安がつきものです。ですが、その不安を解消・軽減してくれるための方法はたくさんあります。

 

金銭的な理由だけでキャリアアップを断念せず、まずはさまざまな方向から調べてみましょう。



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