手足口病の症状

 

熱が出て、ポツポツと発疹ができる疾患はいくつかありますが、手足口病の特徴的な症状はずばり熱が出てほぼ同時に発疹が出る!という点です。

 

熱は、平熱〜微熱程度のこともあれば、39℃前後の高熱である場合もあります。しかし熱は続かない場合がほとんどで、1〜2日程度で自然に解熱します。
発疹は、病名の通り、手・足に3〜5mmの丘疹性紅斑に2〜3mmの水泡を伴った発疹が出現し、口腔内には口内炎のような潰瘍ができます。
手・足の場合には、手掌や足底に発疹ができることも多いです。また、手や足だけではなく、臀部や体幹にも発疹が出る場合があります。発疹は、3〜4日で次第に水疱が吸収されていき、あめ色に変色して治っていきます。
口腔内に炎症が起きるために、口が痛くて食欲が低下したりよだれの量が増加します。

 

また、下痢などの消化器症状が出現することもあります。

 

潜伏期間は3〜5日です。

 

ヒトに感染させうる期間はとても長く、唾液からの感染は1週間から10日程、便からの感染は2〜4週間であるとされています。
手足口病は、様々な型のエンテロウイルスで感染することは先ほどのページで説明しましたね。実は、どの型に感染したかによって微妙に症状の出方が異なるんです。

 

コクサッキーウイルスA16(CoxA16)、エンテロウイルス71(EV71)

この2つの型は、同じような症状を示します。

 

<熱>
COx16、EV71の場合、高熱が出ることはほとんどありません。微熱程度か、発熱しないこともあります。
<発疹>
四肢の末端に発疹が出ます。手掌や足底にできることも多いです。

 

コクサッキーウイルスA6(Cox6)

「新型手足口病」といわれることもある型です。

 

<熱>
発症してすぐに、39℃近い高熱が出ることが多いです。
<発疹>
Cox16やEV71と比べると大きな発疹ができます。また、手掌や足底にできることは少なく、手足だけでなく全身に発疹が出現します。

合併症

 

重症化する可能性はほとんどありませんが、まれに髄膜炎や小脳失調症、脳炎などの中枢神経合併症を引き起こすことがあります。その他、心筋炎や神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺などもごくまれに起こります。
また、どの型に感染したかによって、合併症も異なります。

 

エンテロウイルス71(EV71)に感染した場合、ほかのウイルスに感染した場合に比べて中枢神経合併症を引き起こす可能性が高いといわれています。

 

コクサッキーウイルスA6型(CoxA6)に感染した場合は、手足口病の症状が消失してから1か月後に、一時的に手足の爪の脱落が起きてしまう症例もあります(爪甲脱落症)。剥がれてしまった場合は、また新しく爪が生えてくるのを待つしかありません。

 



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