RSウイルスの症状と合併症
RSウイルスの初感染は顕性です。つまり、「RSウイルスにはじめて感染したけどなんにも症状でなかったなぁ〜」なんてことは起こりえず、必ず何かしらの症状がでます。ただし、その症状は軽い鼻風邪程度のものから重症の肺炎や細気管支炎に至るまで様々です。
RSウイルスの潜伏期間は2〜8日、典型的には4〜6日です。
RSウイルスの症状の1番の特徴は、最初から最後まで鼻汁がズビズビとみられていることです。鼻汁は徐々に量が増え、ねばねばとした粘稠度の高いものになっていきます。鼻汁が喉のほうに垂れ込むことによって起こる咳も、終始続きます。
発熱は必ず起こるわけではなく、乳児は幼児にくらべて発熱する確率が低いです。
感染が上気道のみに収まりきらず、下気道にまで進展してしまうと、細気管支炎、肺炎(合併する場合もある)、気管支炎を引き起こしてしまいます。
RSウイルスの罹病期間はおよそ7〜12日です。
なお・・・大人がRSウイルスに感染すると、普通のちょっとした鼻風邪程度で終わることが多いのですが、中には重症化する場合もあります。それは、医療関係者が感染した場合です。なぜかというと、RSウイルスに初感染した子どもを看護することで、大量のRSウイルスを浴びてしまうためです。
合併症
新生児が罹患してしまった場合、呼吸器症状があまり強く出ない、非典型的な症状であることが多いです。しかし新生児が罹患すると無呼吸を生じる恐れがあるため、注意が必要です。なお、新生児は通常は母親と同じレベルのRSウイルスの抗体をもっているため、RSウイルスに罹患する頻度としては少ないです。
また、特に1歳以下の乳児で多く見られる合併症が、中耳炎です。