RSウイルスの看護

 

実は、RSウイルスって、看護の力によって経過がものすごーく変わる病気なんです。

 

よい看護を行えば、翌日の患者さんの状態は驚く程見違えます!

 

これを読んでいる皆さんは、一歩進んだ看護を行って、「私が受け持ったこの一日で、こんなによくなるなんて!」という感動を味わいましょう。

 

まず、RSウイルスを看護するときに、おさえておきたいポイントを2つお伝えします。

 

・しっかり加湿する

 

・適宜吸引を行う

 

非常にシンプルです。

 

つまりRSウイルスを看護するうえでは、加湿and吸引をしっかりすることが重要なのです

 

それでは具体的にみていきましょう。

 

聴診

呼吸器感染症の基本は、聴診です。
どのような音が、どの部位で聞こえるか、把握しましょう。

 

加湿

分泌物が固ければ、いくら吸引をしても全然除去することができません。そのため、加湿器などを用いてしっかりと加湿することが重要です。

 

水分出納バランスの把握と補液

体が脱水状態に陥っていると、分泌物の粘稠度は高くなり(たんがネバネバになり)、これまた全然吸引できなくなります。そのため、特に初期は水分出納バランスを把握し、体が脱水状態に陥っていないか丁寧に見る必要があります。脱水状態にあると判断された場合には、補液を行い脱水状態の改善をはかります。

 

吸引

こまめな分泌物の除去、これがRSウイルスの看護には欠かせません。内服前、ご飯の前、入浴後、眠る前・・・などにこまめに吸引を行い、分泌物を取り除きましょう。なお、少しかわいそうですが吸引の際、咳嗽反射を誘発させることで、奥の方にある分泌物もしっかりと取り除くことができます。

 

吸引する際には、その前後で聴診を行い、どこに分泌物があるかどうかや、どのくらい除去できたかどうかなどを把握しましょう。

 

☆吸引のタイミングとその理由☆
内服前、ご飯前:吸引して分泌物を取り除いてあげないと、痰が絡んで薬やご飯を吐いてしまう場合があるから。ちなみに、おっぱいやミルクを飲んでいる乳児の場合は、授乳前に吸引します。

 

入浴後:蒸気で加湿され、分泌物が柔らかくなっているので、取り除くチャンスです。

 

眠る前:寝入ってすぐの時は、呼吸が浅くなってSpO2が低下しがちです。そのため眠る前にはしっかりと分泌物を取り除いてあげる必要があります。

 

酸素投与

必要時、酸素投与が行われます。酸素投与を行うと気道が乾燥しやすいので、しっかりと加湿も行うことを、忘れないようにしましょう。

 

薬剤の投与

去痰薬の内服、β2刺激薬や抗アレルギー薬の吸入、必要時補液、抗生剤やステロイドの使用が行われます。

 

内服に関しては、内服前に聴診し、必要があれば吸引を行います。また、吸入前にも吸引を忘れないようにしましょう。

 

 



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