マイコプラズマの症状と合併症

 

マイコプラズマの特徴的な症状は、ずばり「」です。しかし、発症したての頃は、咳はほとんど見られません。徐々に咳が出るようになり、そして長く続くのが特徴です。しかもこの咳、喘鳴は伴わずに乾いた咳(乾性咳嗽)であることも、マイコプラズマの特徴の一つとなっています。

 

マイコプラズマの潜伏期間は、2〜3週間と長めです。発症したての頃は、咳は出ずに発熱や全身倦怠感などの症状が主であるため、ほかの感染症と区別がつきにくいこともあります。しかし発症してから3〜5日位経つと、乾いた咳が出始めます。この咳は長く続き、解熱後も3〜4週間ほど出続けることもあります。乾いた咳(乾性咳嗽)がずっと続きますが、小学生や中・高校生など比較的大きい児が感染した場合、感染の後期には湿った咳(湿性咳嗽)となる場合もあります。また、マイコプラズマに感染するとおよそ1割の患者さんに不定形発疹が出ることもあります。

 

では、マイコプラズマはどれくらいの期間人に感染させる可能性があるのでしょう。実は、マイコプラズマの排出は最初に症状があらわれる2〜8日前からみられており、排出のピークは最初に症状があらわれたときなのです。つまり発症前からもうマイコプラズマの排出は始まっているのですね。最初に症状があらわれたあと1週間は高いレベルの排出が続き、その後少しずつ落ち着いていきますが、4〜6週間は排出が続きます。

 

マイコプラズマに一度感染すると、マイコプラズマ抗体ができるのでしばらくは感染しません。しかし徐々にこの抗体は弱まっていくので、いずれ再感染することもあります。

合併症

 

最も多く見られる合併症は、マイコプラズマ肺炎です。

 

マイコプラズマ肺炎になると、血液検査で白血球数やCRPを調べてみると、白血球数は正常であるか微増CRPは経度陽性(2.0mg/dl以下くらい)であることが多いです。また、肝機能(AST、ALT)が一時的に上昇する場合もあります。

 

胸部のレントゲンを撮ってみると、浸潤像(スリガラス状陰影)が見られることもあります。レントゲンを撮ってみて、大きな浸潤像が見られるにも関わらず、患者さんが元気であることもマイコプラズマの特徴の一つです。

 

また、マイコプラズマ肺炎になると胸水が貯留することも多く見られ、この場合は高熱が長く続くのが特徴的です。



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