「わからない」ことをわからないままにするな!

 

まずみなさんに、Nsかなむんが新人の頃に引き起こしたインシデントについてお話ししましょう。

 

あれは、Nsかなむんが1年目の6月のことでした。
朝の情報収集をしていたNsかなむんは、カルテのメモ欄に「VCM6-14-22」と書いてあるのを見つけました。しかし当時のNsかなむんは、「今日のスケジュールも立てなきゃ!それが終わったら初めて受け持つ病気のことを調べなきゃ!」と焦りまくっており、ついついそのメモをスルーしてしまっていたのです。そのメモの意味が分からなかったためスルーしてしまったというほうが正しいでしょうか。

 

そして15時ごろ。先輩に「14時のバンコマイシン投与した?」と聞かれ、その時になってようやく気が付いたのです!あのメモは、「バンコマイシンを6時、14時、22時に投与する」という意味合いだったことに!!

 

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、バンコマイシンは時間依存型の抗菌薬です。時間依存型の抗菌薬とは、簡単に言うと「ある程度の血中濃度が、常に保たれていることで効果を発揮する」抗菌薬のこと。つまり、バンコマイシンを投与するときには等間隔で投与し、体の中の血中濃度を常に保たせておかなければならなかったのです。
この時は、幸いなことに先輩が気づいてくださったおかげで大事に至らずに済みましたが、一歩間違えると患者さんに大きな影響が出てしまうところでした。

 

プライベートでは、よくわからないことがあっても特に興味がなければいくらでもスルーできます。
しかし。医療現場においては、それをやった瞬間に重大な事故につながります。わからないことをわからないままにして患者さんを受け持つこと、これほど恐ろしいことはありません。

 

新人のうちから、わからないことは必ず調べてから動く癖をつけましょう。

 

特に働きはじめのころは、ほとんどすべてのことがわからないと思います。申し送りですら、何を言っているかちんぷんかんぷん。カルテにも、専門用語だらけで何が書いてあるのかさっぱりわからない。でも、情報収集の時間は限られていて刻一刻と動き出しの時間が近づいている。

 

こんな時は、先輩に聞きましょう。「でも、聞くことが多すぎて・・・」いいんです!わからないこと、片っ端から全部聞きましょう。先輩に遠慮して聞きたいことも聞かずに重大事故を引き起こすよりは、「まだ聞くのかよ!」と怒られながらも疑問を解消したほうが、比べ物にならないくらいマシです。

 

繰り返します。
わからないことは、必ず調べてから動きましょう。

 



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