「仕事に行きたくない……」 看護師が陥る「適応障害」の症状や対処法

「仕事に行きたくない……」 看護師が陥る「適応障害」の症状や対処法

 

「適応障害」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 

適応障害とは、「特定のストレス」がきっかけで、心身に様々な症状が現れることを指します。

 

看護師は心身共に大きな負荷がかかる職業です。そのため、看護師として働く人の中には、仕事や人間関係のストレスにより適応障害を発症してしまう人もいるのです。

 

今回は適応障害の症状や、もし適応障害になってしまったらどうしたらよいかなどの基礎知識についてお伝えしていきます。

 

そもそも適応障害とは何か

 

適応障害には、診断基準があります。ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)によると、適応障害は以下のように定義されています。

 

ストレスにより引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態

 

つまり適応障害とは、ストレスがきっかけで心や体、そして行動に変化が現れてしまい、社会生活が送りにくくなってしまっている状態のことなのです。

 

ですが、これだけでは「うつ病や他の病気とどう違うんだろう」という疑問が生まれると思います。そのため、適応障害には、以下のような診断基準も適応されます。

 

発症は通常、生活の変化やストレス性の出来事が生じて1か月以内であり、ストレスが終結して6か月以上症状が持続することはない

 

ただし、ストレスが慢性に存在する場合は、症状も慢性に経過する

 

つまり、適応障害はストレス源がなくなれば症状も落ち着いてくるという特徴があるのです。

 

適応障害の症状

 

適応症状になると、以下のような症状が現れます。まずは心の症状からみていきましょう。

 

心の症状

 

不安、怒り、焦り、抑うつ気分

 

次に、行動面の症状をみていきます。

 

行動面の症状

 

無断欠席、暴飲暴食、けんか、対人トラブル

 

適応障害の場合、これらの症状はストレス源にさらされているときに強く出るという特徴があります。ストレスから解放されているときには、これらの症状は改善されるのです。

 

例えば、職場の人間関係ストレスがきっかけで適応障害に陥っているとします。

 

その場合、仕事に行く前日や当日の朝には、「抑うつ気分」「不安」「焦り」などの症状が出現します。「めまい」「動悸」などの身体面の症状が現れることもあります。さらに、どうしてもベッドから起き上がれなくなってしまい、欠勤せざるを得なくなってしまう場合もあるのです。

 

一方、長期休暇などでストレス源である職場から離れると、これらの症状は改善します。旅行や友人との食事を楽しめる場合もあります。

 

ですが、どの程度の症状がどの程度持続するのかについては、個人差があるため注意が必要です。

 

私自身新人看護師の頃に「適応障害」と診断されたことがありました。このときは「涙が止まらない」「仕事に行けない」などの症状が出現したため休みをもらい、実家で静養していました。私の場合は1週間ほどで回復し、元の職場で働くことができました。

 

ですが、私の友人は長年のストレスの末「適応障害」になってしまい、体が完全に動かなくなってしまったことがありました。彼女の場合は3か月ほど休職し、その間ほとんど家で寝ていたということです。静養の結果少しずつ元気を取り戻した彼女は、休職してから5か月後に同じ病院の外来へと部署異動し、今では元気に働いています。

 

このように、一口に適応障害とはいっても、人によって症状の重さや経過には差があることを覚えておかなくてはいけません。

 

うつ病と適応障害の違い

 

先述した症状だけを見ると、適応障害とうつ病は似ていると思う人もいるかもしれません。ですが、適応障害とうつ病には一点大きな違いがあります。それは、「ストレス源から離れたら症状が改善するか否か」です。

 

適応障害の場合、原因ははっきりしています。そのため、適応障害を引き起こすきっかけとなったストレス源から離れれば、症状が改善されるのです。

 

ですが、うつ病の場合には、ストレスから離れてもうつ状態が続くという特徴があります。

 

そうはいっても、「ストレス源が何か」というのをはっきり特定するのは難しい場合もあります。仕事でも家庭でもストレスを抱えているような場合には、はっきりと「これがストレス」と言い切れない場合もあるかもしれません。

 

また、適応障害に陥ってしまった人のうち40%が、5年後には「うつ病」と診断されているという報告もあります。それほど、「適応障害」と「うつ病」には見分けが難しい場合もあるのです。

 

いずれの場合でも、心と体に不調を感じたら精神科や心療内科などの専門医にみてもらうようにしましょう。

 

適応障害になってしまったときの対処法

 

「不安感が強い」「仕事に行けなくなってしまう」「体が鉛のように重い」などの辛い症状が出たら、まずは自分はぎりぎりまで追い込まれてしまっているということを認識しましょう。

 

看護師として働く人は、責任感が強くチームワークを重んじる人が多いです。そのため、自分がぎりぎりの状態であっても、「休んだら迷惑がかかってしまう」「こうなったのは自分のせいなんだ」などと考え、無理をしてしまう場合が多いです。

 

実際に、私の友人もそうでした。

 

仕事のことを考えるだけで息が詰まり、涙が止まらない状態になっていたにもかかわらず、「忙しいシフトに穴を空けるわけにはいかない」と、ぎりぎりまで頑張ってしまったのです。その結果、回復するまでに長い時間を要することになってしまいました。

 

正直な話、看護師のシフトはあなたが欠席してもなんとか回るのです。私も、一日で欠員が3人出たシフトで働いたことがありましたが、人が足りなければ足りないなりの働き方を周りがするものです。

 

そのため、どんなに忙しくてもなんとかなるのです。「絶対に休めない」と自分を追い込まず、まずは自分を第一に考えるようにしましょう。

 

精神科、心療内科を受診する

 

「自分はぎりぎりの状態だ」ということに気がついたら、次は精神科や心療内科を受診する必要があります。

 

とても辛い状態にいる場合、そのまま仕事を続けても何一ついいことがありません。自分の心身の状態はどんどん悪化する上に、集中力の低下などにより医療ミスを引き起こす可能性さえ出てきてしまいます。

 

そのため、適応障害が疑われたら、まずは仕事を少し休ませてもらうことが必要です。そのために必要なのが、医師の診断書なのです。

 

診断書があれば、あなたは安心して静養することができます。診断書があれば、上司はあなたを医師の指示通りに休ませる義務があるからです。また、今の辛い状態から抜け出すために必要な薬物療法や認知行動療法などがなされる場合もあります。

 

師長と病休、休職の相談をする

 

診断書を書いてもらったら、師長と「どの程度休むか」について相談していく必要があります。

 

職場が原因で適応障害に陥った場合、このような交渉をするのはとてもエネルギーがいるものですが、このとき無理に職場に顔を出す必要はありません。

 

直接の交渉が辛ければ、電話やメールでのやりとりでもよいのです。診断書は郵送でも構いません。とにかく無理をせずに、交渉をしていくことが必要になります。

 

有休や公休、病休が残っていれば、それらを使って休むことができます。ですが、回復するのにそれ以上の時間が必要そうであれば、無理せず「休職」という手段を検討することにしましょう。

 

休職制度を使えば、あなたは今の病院に籍を置いたまま、ゆっくりと休養することができます。どのくらいの期間休職できるのかについては病院の就業規則により異なりますが、1年6か月が目安であるとされています。

 

休職している間は、給料が出ません。ですが、休んでいる間は健康保険の「傷病手当金」の交付を受けることが可能です。傷病手当金により、給料の2/3程度を受け取ることができます。

 

ちなみに、求職中も社会保険料に関しては病院もあなたも支払い続けることになるため注意が必要です。

 

休職を経験したことのある看護師はたくさんいる

 

「休職」とはなんだか大事(おおごと)のように聞こえがちですが、実は休職を経験したことのある看護師は意外とたくさんいるのです。

 

私の知っている人だけでも、これまでのキャリアの中で「休職」をしたことのある看護師は、10人はいます。その後は同じ職場に復帰した人もいれば、退職後転職した人もいて様々ですが、看護師の仕事はそれだけハードであると言えます。

 

そのため、「休職」は特別なことだと思いすぎなくてもよいのです。

 

大切なのは、あなたの心身の快復です。とても辛い状況にいるあなたは決して無理をせず、まずは辛いストレス源から自分を守ることを考えましょう。

 


「このままの働き方でいいのかな?」と思ったことはありませんか?


少しでもそのように思ったことがあるあなたは、自分のキャリアや働き方について見直すチャンスかもしれません。


そうはいっても、自分一人の力で転職活動をすることは困難です。日々の生活に忙しくてゆっくり職場探しをする時間はない上に、自分一人では探せる病院数も限られてしまうからです。


そこで最近では、転職活動の際に転職サイトを活用する看護師が増えてきています。自分だけの力で探す場合だと3〜5カ所などの少ない求人の中から探さなくてはいけませんが、転職サイトを介すれば100カ所以上の求人からピッタリの案件を引き出すことができるからです。


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