看護師職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)の実情と対策

看護師職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)の実情と対策

 

看護師として働く中で、「先輩から無視された」「みんなの前で大声で怒られた」という経験をしたことがある人はいませんか? もし経験があったならば、あなたはパワハラを受けている可能性があります。

 

パワハラは、絶対にあってはならないものです。なぜなら、パワハラは人の尊厳を大きく傷つけるものだからです。パワハラを受け続けた結果、知らず知らずのうちにうつ病などに罹ってしまうこともあります。

 

ですが、「パワハラ」とは具体的にどのようなことを指すのか知らない方も多いと想います。そのため今回は、看護師のパワハラについて詳しく解説していきます。

 

パワーハラスメント(パワハラ)とは何か

 

パワハラは、「パワーハラスメント」の略です。

 

そしてパワハラとは何かというと、強い立場の人から弱い立場の人に対して行なう「いじめ」や「嫌がらせ」のことです。

 

「先輩から後輩」というのが一般的ですが、中には「同期同士」「後輩から先輩」という場合もあります。

 

それでは、具体的にどのような場合が「パワハラ」に該当するのかについて見ていきましょう。パワハラは、全部で6種類あります。

 

1. 身体的な攻撃

 

身体的な攻撃とは、「叩く」「蹴る」など、体への直接的な攻撃が加えられることです。ちなみに女性が多い看護師の職場では、身体的な攻撃が見られることは少ないです。

 

具体的には、以下のような行為が該当します。

 

・髪の毛を引っ張られた

 

・書類やバインダーなどで叩かれた

 

・ペンや消しゴムなどを投げられ、体に当たった

 

このように、身体的な攻撃では、力を使って自分に従わせようとします。実際に怪我をしたかどうかは問題ではありません。仮に例え薄っぺらな書類などであっても、それを使って叩くなどの行為をすることは立派な威嚇行動であり、パワハラなのです。

 

2. 精神的な攻撃

 

看護師の職場で頻繁に遭遇するパワハラが、精神的な攻撃です。精神的な攻撃には、具体的に以下のような特徴があります。

 

・「この1週間何してたの?」「小学生でもできるのにあなたはできないの?」などと、自尊心を傷つけるようなことを言われる

 

・日勤後、終電間際まで「指導」と称して叱られる

 

・ナースステーションなど他の人がいる前で、小さなミスを必要以上に激しく叱られる

 

このような行為が見られたときには、「怖い先輩」「厳しい指導」の域を超えて、パワハラとなります。

 

パワハラをしている側は「指導である」と思い込んでいるかもしれませんが、これは立派なパワハラであるということを覚えておかなくてはいけません。

 

3. 人間関係からの切り離し

 

「仲間はずれ」や「無視」などが該当します。これは、強い立場にいる人が、弱い立場にいる人をひとりぼっちにするパワハラです。以下のようなケースが該当します。

 

・話しかけても無視され、会話してもらえない

 

・送別会や歓迎会などの行事に、自分だけ誘われない

 

・自分の悪口や陰口をされる

 

女性の人間関係において、このようなトラブルは度々みられます。ですが、これらが先輩など力のある人からなされた場合は、パワハラの可能性があります。

 

看護師の職場で「○○さんをを孤立させよう」などといういじめが起きると、業務が円滑に進みません。コミュニケーションが必須の看護師の職場においてこのような行為がなされることは、医療ミスを引き起こしかねない重大な問題なのです。

 

4. 過大な要求

 

過大な要求とは、自分の能力以上の仕事を押しつけられることです。以下のような場合が該当します。

 

・新人看護師であるにも関わらず、いきなり十分なフォローもなく重症患者さんばかり受け持たされる

 

・日勤終了間際で緊急入院の患者さんを担当させられ、他の人は誰も手伝ってくれずに帰ってしまう

 

・「○○さんと△△さんの退院サマリーお願いね」などと、先輩の仕事まで押しつけられる

 

医療現場は、人の命を預かる職場です。そのため、このようなパワハラがあった場合には、最悪の場合患者さんの命に関わってきてしまうこともあります。

 

非常に危険な行動であり、職場全体で一刻も早く改善策を図るべき重大な問題です。

 

5. 過小な要求

 

過小な要求とは、本来のやるべき仕事を取り上げられることです。例えば以下のようなケースがあります。

 

・他の同期はどんどんステップアップしていくのに、自分は配膳や清拭しかさせてもらえない

 

・いつも同じ仕事しかさせてもらえない

 

看護師がステップアップしていくとき、どうしても個人の成長具合は異なります。テキパキと仕事をこなし成長が早い人もいれば、少しずつ仕事を覚えていくタイプの人もいます。

 

また、看護師の仕事は命を預けるため、先輩が「○○さんにこの業務をさせるのは患者さんにとって危険がある」と判断されれば、しばらく担当から外されることもあります。

 

そのため、他の人と自分の仕事内容が違うからと行って、一概に「パワハラである」と言うことはできません。ですが、明らかに不当な扱いをなされている場合には、自分の働く権利を侵害されていると考えることができます。

 

6. プライバシーの侵害

 

プライバシーの侵害は、以下のようなケースがあります。

 

・勝手に携帯やロッカーの中を覗かれる

 

・有給を取得したら、「どこに誰と行くのか」「なぜ行くのか」などを根掘り葉掘り聞かれる

 

・「親の顔が見てみたい」「あなたの彼氏は変だ」などと、親や友人を否定される

 

もちろん親しい間柄であれば、旅行の話や彼氏の話などをしても問題はありません。しかし、それが強制的に聞かれる場合や、そのことについて否定的な発言ばかりされる場合には、パワハラの可能性があります。

 

ここまで6種類のパワハラを見てきて、「これもパワハラに該当するのか」と驚いたこともあるかもしれません。基本的に、強い立場の人が弱い立場の人に対して行なういじめや嫌がらせのような行為はすべてパワハラなのです。

 

パワハラは、繰り返しなされる場合が多いです。ですが、例え一度であっても決定的な出来事だった場合は、「パワハラである」ということができます。

 

パワハラへの対策

 

それでは、実際に「自分はパワハラを受けているかもしれない」と思ったときに取るべき行動についてみていきましょう。

 

パワハラの被害の怖いところは、自分がパワハラの被害を受けているにも関わらず、それが気づきにくい点です。

 

例えば終電間際まで怒られたとしても、「自分がダメだからだ」「先輩は自分のためを想っていくれているんだ」などと考えてしまい、それが不当なことだと気づいていない場合もあります。

 

特に、パワハラは「指導」との線引きが曖昧になりがちです。被害者も加害者も「少し厳しい指導なだけだ」などと考えてしまうことも少なくありません。

 

しかしパワハラは人権侵害である上に、時には医療ミスを引き起こしかねない重大な問題なのです。そのため、少しでも「パワハラの被害を受けているかもしれない」と感じた場合にはすぐに上司に相談する必要があります。パワハラは、あなた一人でなく、職場全体で解決すべき問題なのです。

 

パワハラの被害を受けた人は、思い切って看護師長や看護副師長に相談してみましょう。いきなり「パワハラを受けています」と言いにくかったら、「実は○○さんからこのようなことをされていて、とても辛い」「仕事にも支障を来している」というように相談してみましょう。

 

万が一、パワハラの加害者が看護師長や副師長などの直属の上司であった場合には、まず同じ職場内の信頼できる先輩に話してみましょう。また、そのような師長や副師長であった場合には、他のスタッフでも被害を受けている人がいる可能性があります。

 

同じような被害を受けている人がいたら、何人かでさらに上の上司に相談するのも一つの方法です。もちろん一人で相談してもよいですが、可能であればみんなで看護部長に相談しましょう。複数人で働きかけることで、上層部にも「どうにかしなくては」という意識を持たせることができます。

 

その際、「いつ、どのような言動をされたか」などの簡単なメモ書きを持参すると、より効果的です。

 

どうしてもパワハラが改善されなかったら

 

パワハラは、自分では被害に気がつきにくいのが問題です。そして、連日言葉の暴力やいやがらせを受けているうちに、知らず知らずのうちにうつ状態に陥ってしまうこともあるのです。

 

一度うつ病になってしまったら、大変です。心身を回復させ、また元気に働けるようになるまでにたくさんの時間を使うことになります。そのような状態になる前に、なるべく自分を守るための対策を考えていかなくてはいけません。

 

そのため、上司に相談しても残念ながらパワハラが改善されない場合、思い切って職場を変えるというのも一つの方法です。「どうしても今の職場でがんばりたい」などの事情があれば話は別ですが、そうでないならば外の世界にも関心を向けてみましょう。

 

「他の職場で働いている友人の話を聞く」「転職サイトの求人案件を眺める」などをしているだけでも、「今の職場がすべてではないんだな」と言うことが分かります。そして、視野を広くもてるようになります。

 


看護師が自らのキャリアを考えるとき、「同じ職場に留まって頑張る」または「自分に合う他の職場を探す」ことを考えます。子育てが終わり、仕事復帰を考える人もいます。


こうしたとき、ほとんどの人は看護師の転職サイトを活用します。自分だけの力で探す場合だと3〜5カ所など少ない求人の中から探すケースがほとんどですが、転職サイトを介すれば100カ所以上の求人からピッタリの案件を引き出すことができるからです。


ただ、転職サイトによって特徴が大きく異なります。例えば、電話だけの対応で素早さを重視する会社もあれば、看護師との面談を重視することで難しい案件への対応を得意としている会社もあります。他には、首都圏に強みを発揮する会社もあれば、地方求人を多く保有している会社もあります。


これらの違いを理解しなければ、よい転職・復職を実現させることはできません。そのため、まずは各転職サイトで何が異なるのかを理解するようにしてください。



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